白衣の向こう側、誰も教えてくれなかった医師の日常と本音
医学部6年間と国家試験、想像以上に長い準備期間の中身
医学部の6年間は、大きく前半と後半に分かれます。
1〜2年次は、解剖学・生理学・生化学といった基礎医学を学びます。
人体の構造と機能を一から理解する段階で、暗記量が非常に多いです。
3〜4年次からは、内科・外科・小児科・精神科など、臨床医学の各分野を学びます。
病気の診断方法や治療の原則を学ぶ段階です。
5〜6年次には、病院での実習が始まります。
実際の患者を診ながら、診断と治療の流れを体験します。
6年次の終わりに医師国家試験があります。
合格率はおおむね9割前後ですが、試験範囲は膨大で、直前の数ヶ月は集中的な勉強が必要です。
合格後すぐに医師として働けるわけではなく、2年間の臨床研修が義務づけられています。
この研修を修了して初めて、単独で診療する資格が認められます。
研修医として現場に立つ最初の2年間に何が起きているのか
研修医の2年間は、医師としての基礎をつくる時間です。
内科・外科・救急・小児科・産婦人科など、複数の診療科をローテーションしながら経験を積みます。
現場では、指導医のもとで実際の患者を診察し、処置や手術の補助も行います。
教科書で学んだことと、現実の患者の状態が一致しないことは珍しくありません。
教科書に書かれている典型的な症状が出ない患者も多く、その場での判断力が問われます。
研修医は当直業務もこなします。
夜間に病院に残り、急変した患者への対応や救急患者の初期対応を担当します。
体力的な消耗が大きく、睡眠が十分に取れない日が続くこともあります。
精神的なプレッシャーも大きいです。
「自分の判断が患者の命に直結する」という感覚は、研修医になって初めてリアルに感じるものです。
この2年間をどう過ごすかが、その後の医師としての姿勢に大きく影響します。